真の幸せは自分の中から生まれるもの グレッグ・レモン
「真の幸せは、自分の中から生まれるもの。物や名誉は幸せの副産物。」
映画ガイヤシンフォニー7番の主演者グレッグ・レモンさんの言葉です。
世界のあらゆるスポーツの中で最も過酷な競技と言われている自転車レース「ツール・ド・フランス」
でチャンピオンとなったのち、翌1987年春、25歳で人気も実力も絶頂のときに、散弾銃を浴びて死の瀬戸際をさまよったときに、ただ静かに眠るような感じの中、思ったことは家族のこと。レースのことは、みじんも浮かんでこなかったと言っていました。
散弾銃を体内に残したまま、またレースへと復活して、更に2度も優勝し、その後引退。
おごりもなく、体内に溶け出す散弾銃の鉛と共生しながら自分と向き合い充実した暮らしを送っている48歳のその姿がとても素敵でした。
監督は、彼に映画に出演してもらいたいが、予算がないことを伝えると、じゃあ、私が日本に行きましょうと、日本での旅の様子を映画に収めることになったそうです。
グレッグ・レモン Greg LeMond
標高3000mを越えるヨーロッパアルプスの山岳地帯から平野まで、4000キロの道のりを、20数日間に渡って駆け抜け、パリ・凱旋門のゴールをめざす自転車レース「ツール・ド・フランス」は、世界のあらゆるスポーツの中で最も過酷な競技だ、と言われている。したがって、その勝者は、一夜にして全ヨーロッパの英雄となる。
グレッグ・レモンは、1986年、ヨーロッパ出身の選手以外で、史上はじめてチャンピオンとなった男である。ところが、翌1987年春、人気も実力も絶頂期にあったレモンは不慮の事故で全身に散弾銃を浴び、瀕死の重傷を負う。再起不能と言われる中、1989年、全身に40発もの鉛の銃弾を残したまま復帰、レース最終日、その日まで50秒差で首位に立っていたフランスの英雄フィニヨンを抜き、僅か8秒差で再びチャンピオンになった。この日の奇跡のようなレモンの走りは、今も「ツール・ド・フランス」の語り草になっている。
その過激にさえみえる業績とは裏腹に、現在のレモンは柔和で優しく、時に哲学者のような雰囲気さえ漂わせる。今、日本の精神文化や伝統工芸の技術に深い興味を抱き、この5月、日本料理のシェフをめざす次男と2人で、日本の山岳地帯の聖地を訪れ、伝統工芸の匠達に会う自転車ツアーを撮影。
人間の肉体と精神の関係、自然治癒力、競争と共生、チームと個人、21世紀の人間と自転車の関係、親子関係等々の話題を話し合っています。